Planarと言えば、オールドレンズのCONTAX製Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 AEJかMMJが有名ですね。標準レンズの帝王と呼ばれているだけあって、いまも人気があるレンズです。
今回、COSINA製のPlanar 1.4/50 ZE(キヤノン EFマウント)を手に入れましたので、作例とともにレンズの紹介をいたします。
コシナ製 Planar 1.4/50 ZEについて
Planar 50mm F1.4といえば、たいていはオールドレンズの方を思い浮かべますよね。透明感のある写真、空気をも写し出すとか、色々と評価の高いレンズです。そして、オールドレンズ独特のフレアは発生しますが、フレアはけっしてマイナスではないんですよね。このフレアをうまく活用することで、写真に透明感をもたせることが出来るレンズではないかなと思っています。
コシナ製の方はというと、YASIKA/CONTAX製とは違い、フレア耐性が改善されたり、マウントがキヤノンEFマウントとニコンFマウントがあり、サイズや見た目の違いがあるものの、性能はおそらく同じではないかと思います。一番大きな違いはキヤノンEFマウントの方は絞りリングがなく、カメラ本体側で絞りを調整することしか出来ないのに対して、ニコンFマウントはレンズに絞り環がついているのが、大きな違いですね。
主な仕様
2010年1月発売のレンズです。キヤノン用とニコン用と基本構成は一緒ですが、質量と大きさ、絞りリング あり(ニコン用)/なし(キヤノン用)が大きな違いです。
キヤノンEFマウント (ZE) | ニコンFマウント (ZF.2) | |
焦点距離 | 50mm | → ZEと同じ |
絞り値 | f/1.4~f/16 | → ZEと同じ |
撮影距離 | 0.45m~∞ | → ZEと同じ |
レンズ構成 | 6群7枚 | → ZEと同じ |
フィルター | 58mm | → ZEと同じ |
質量 | 385g | 330g |
最大径 | φ71.4mm | φ66.0mm |
全長(マウントより) | 47.2mm | 44.7mm |
マウント | キヤノンEF | CPU内蔵ニコンAi-S互換 |
このレンズマニュアルフォーカスのレンズです
あと、キヤノン用は絞りリングがないため、電子接点対応の
マウントアダプターを使用しないと、絞り開放でしか撮影が
出来ません
特徴
絞り開放時のやわらかな描写
このレンズは絞り開放で撮れば柔らかな描写、絞ればシャープになるので、絞り値の変化による違いを楽しむことが出来ます。
柔らかな描写といっても、ピントが合っている部分はしっかりと解像しているので甘々な描写ではありません。強い光が当たると、ピント面の周辺が少し滲んだ感じになるので、そういう部分も加味されて、柔らかな写りというのかもしれませんね。
パープルフリンジはそれなりに
強い光の下では、それなりにパープルフリンジが発生します。
逆光は粘り強い
これはf13まで絞って朝日を撮ってみました。Planar 50mm F1.4 AEJ/MMJならコントラスト低下とフレアが出るようなシチュエーションですが、Planar 1.4/50 ZEはコントラストの低下はあまり見られず、逆光耐性はあるようです。
とはいっても、コントラスト低下やフレアを活かした写真が好きな方は、このレンズだとちょっと役不足かもしれません。
f値によるボケの変化
Planarは絞り開放で撮るのが楽しいレンズなので、なんでもかんでも絞り開放でつい撮りたくなりますね。ただ、レンズの特徴というか、欠点というべきか、ボケに関してはYASIKA/CONTAXと同じく、背景によってボケている部分のざわつきが気になることがあります。そんなときは、少し絞って撮ることで自然なボケ感を得られますので、f値を変えて撮ることで、ざわつきが目立たなくなり、自然なボケ感を得ることが出来ますよ。
つい絞り開放で撮りがちですけど、背景によっては絞って撮ることも必要ですね
f値による周辺光量の変化
明るい日中帯とかは周辺光量落ちは目立ちませんが、写真のようなシチュエーションの場合は絞り開放で撮ると、結構な周辺光量落ちが発生してしまいます。写真の表現として、あえて周辺光量を落とすということもありですが、これも気になる場合は絞り値を変えてみると良いと思います。試して見た限りではf4.0まで絞れば周辺光量落ちは目立たなくなりましたので、一つの目安にしてみてください。
SONY α7と遊ぶ
Planar 1.4/50 ZEはEFマウントのため、Eマウントのα7には直接取り付けることが出来ません。今回はマウントアダプターレンズ(SIGMA MC-11 EF-E変換)を介して取り付けています。
レンズ先端はシルバーなので、フィルターもシルバータイプにしてみました。
MC-11経由
MC-11の分、全長は長くなりますが、見た目より全然気にならない長さです。付属のレンズフードは金属製でしっかりとした造りですし、何と言っても、フードを取り付けた方が格好良いと思いませんか?
MC-11をつけるとフィルターを除いた全長は25mm長くなり約75mmになります。
番外 古いデジ一眼でもピント合わせ出来るの?
Planar 1.4/50 ZEはマニュアルフォーカスです。ミラーレスは拡大表示が出来るので、ピント合わせがしやすいですよね。じゃあ、デジタル一眼レフだとピント合わせ出来るのかっていう疑問が湧いてきたので、ちょっと試してみました。
ただ手元にあるのは、2000年発売のEOS D30というデジタル一眼の普及に貢献した名機ですが、ファインダーは頼りないし・・・大丈夫なの?
って思いましたが、以外とピント合わせは大丈夫でした。まあ、ピント面が見えにくいのは事実なんですが、少し慎重に撮ることで、ピント面はわかるものですね。これなら、これより新しいEOS Dシリーズなら、もっとピント合わせがしやすい気がします(試せないので、気がしますしか言えません😅)
作例
出来映えはともかくとして、サンプルとして撮りためた写真をご覧になってください
ちなみに、絞り開放の写真がほとんどです
小樽でスナップ 絞り開放f1.4で撮影
小樽でスナップ2 絞り開放f1.4で撮影
小樽でスナップ3 絞り開放f1.4で撮影
ある日の朝焼け f3.5で撮影
公園の栗 開いた口がパックマンのようですね(笑) 絞り開放f1.4で撮影
紅葉 絞り開放f1.4で撮影(α7RⅡ APS-Cモード)
紅葉2 絞り開放f1.4で撮影(α7RⅡ APS-Cモード)
紅葉3 絞り開放f1.4で撮影(α7RⅡ APS-Cモード)
自転車とヘルメット 絞り開放f1.4で撮影(α7RⅡ APS-Cモード)
10月の秋桜 風が強くてピントは適当です 絞り開放f1.4で撮影
トーストとピーナッツスプレッド f2.8で撮影
まとめ
Carl Zeiss Planarの名前は同じでも、COSINA製のPlanar 1.4/50 ZEは性能が向上している部分があるので、オールドレンズのYASIKA/CONTAX製とは写り方は似て非なるレンズでした。とは言え、現代風のカリッとした描写で、フレアやゴーストも少ないレンズではないので、若干はオールドレンズに近いレンズだと思います。
Plnar 50mm 1.4 AEJの記事にも書きましたが、「絞り開放時の繊細なボケと透明感がある描写、そして光の加減によって発生するフレアが特徴的なレンズ」はこのレンズにも引き継がれていますので、Planarの冠は伊達ではありませんね。
トータルでみれば、クセがあるレンズかもしれませんが、性能はけっして悪くないですし、造りは金属鏡胴で高級感があるので、所有感は満たされるレンズだと思います。
そんなクセ強のPlanar 1.4/50 ZEで撮れる写真を楽しみに、いつまでも使い続けていきたいと思っています。
最後まで読んで頂きありがとうございました
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