SONY α7Sを中古で手に入れたのはいいけど、純正のeマウントレンズは高いしどうしようかなと思っていたときに、ショーケースにあった『CONTAX Carl Zeiss Sonnar T* 135mm F2.8』が目に入りました。CONTAXのレンズとしてはPlanarが代表格で価格も高めですが、このSonnarは1万円台でした。そもそもeマウントのレンズがなきゃどうしようもないし、物は試しということで手に入れた1本です。
そんな135mm F2.8(MMJ)ですが、使ってみると予想外に写りも良くてビックリしました。ということで使用レビューを書いてみましたので、「ちょっと気になっているんだよね」って思っている方の参考になればと思います。
小ネタ Sonnar(ゾナー)の意味
ドイツ語で「太陽」を表す「Sonne」に由来
主な仕様
メーカー | コンタックス Contax |
マウント | Contax / Yashica |
レンズ構成 | 4群5枚 |
絞り羽根枚数 | 6枚 |
焦点距離 | 135mm |
撮影距離範囲 | 1.6m~∞ |
最小絞り値 | F2.8 |
フィルター径 | 55mm |
最大口径と長さ | Φ68.5mm×長さ93mm |
重さ | 585g |
販売時期 | 1975年〜 |
MMJとAEJの違い
レンズはMMJ、AEJ、MMG、AEGの4種類です。それぞれの違いはレンズに記載されている文字色と製造国で判断することが出来ます。
- MM* or AE*(レンズの種類)
写真左側の絞り値 22の文字色がMM型は緑色、AE型は白色です。
AE型は絞り羽根の形状がF4-F5.6あたりで手裏剣型になります。 - **J or **G (生産国の頭文字)
写真右側のように生産国はレンズに印字
J → Lens made in Japan
G → Lens made in West Germany
・発色はよりニュートラルで場面を問わず安定
・反射防止処理が入念
・マウント爪がシルバーでAE*タイプより強度がある
・発色はMMタイプとわずかに違う
・反射防止処理がMMタイプに劣るためフレアが出やすい
・絞り羽根の長さが不足しており、F4-F5.6付近ではボケが手裏剣状になる
・マウント爪が黒で強度がMMタイプより劣る
※AE最後期はシルバーに変更した様子
※修理によって交換されている場合があります
発売当初の1975年〜製造のレンズは「AE」
1985年〜は「MM」になっているようです
取り付けイメージ
α7S本体とマウントアダプター経由の取り付けイメージ
レンズ自体は93mmとそれほど大きくないんですが、やはりマウントアダプター経由となると長く見えますね。
全長の変化
フォーカスリングを回すと全長が変化しますので、変化量を調べてみました。
全長は最小93mm→106mmと13mmの変化量でした。
全長の変化(内蔵フード)
このレンズはフードが内蔵されております。少し引っ張り出す感じでフードを出すと、ご覧の通りフードが出てきます。全長は106mm→128mmと22mmの変化量でした。
引っ張り出すだけなんで、いちいち取り付けなくてもいいし便利ですね。案外、こういうフードの方が好きかもしれません。
作例
カメラはフルサイズのSONY α7SとAPS-Cの富士フイルム X-H1の2台で試してみました。
ボケ具合を確認
ボケを期待して購入した訳ではないんですが、なんだかんだボケが好きなので、それぞれのカメラで試してみました。このレンズの絞り開放値はF2.8なので、ピント面は薄すぎることもなく、フォーカス調整は比較的しやすい方ですね。背景をぼかして撮りたい場合、背景のざわつきは少なく、自然な感じのボケ方ではないかと思います。
同じ場面ではないのとセンサーがフルサイズとAPS-Cということで、焦点距離やボケ量が違いますので、単純に比較は出来ませんが、使ってみた感じでは、α7Sとの組み合わせの方が使いやすい感じがしました。
逆光耐性を確認
太陽を入れて撮ってみました。F8以上に絞って撮ってみました。オールドレンズということを考えれば、逆光耐性は比較的良いようです。写真は日の出の時間帯に撮ったものですが、絞って撮ればコントラストの低下がそれほど少ないのがわかると思います。ただ、完全に太陽が現れた状態だとさすがに厳しいと思いますが・・・
パープルフリンジ(色収差)を確認
これは結構、かなり盛大に出ます。光源が強いものを撮ると、写真のようにパープルフリンジがはっきりと確認出来ますので、こういうシチュエーションを撮るときは注意が必要ですね。
風景撮影で使えるのか
シャープでカリッカリ、キレッキレの写真は撮れませんが、良い意味でフィルムっぽい柔らかな写真のような感じがします。オールドレンズでもさすがCarlZeiss(カールツアイス)と言いたくなりますね。好みの問題はありますが、これだけ写るなら、風景写真でも使えると思いますよ。
動きものは撮れるのか
マニュアルレンズなので、カメラの性能うんぬんは関係がなく、腕前があれば大丈夫です(笑)
絞り開放では難しいけど、F5.6とかF8くらいに絞ればピントも合いやすので、作例のようにグライダーの翼に書いてある文字やカモメのクチバシだって鮮明に写すことも出来ますよ。
スナップ
これはF2.8(絞り開放)で撮りました。被写体のピントはくっきりと、それ以外の部分はクセがなくボケになるので、ピントがあった部分は立体感のある写真を撮ることが出来ます。
ただ、このレンズは軽くはないので、首から下げて街中をプラプラと・・・なんてことは難しいですけどね。
クロップによる画角変化
α7RⅡはクロップ(APS-C)すると1,800万画素になります。それでも十分なサイズなので、望遠側がもう少し欲しいなというときに、上手く活用したりしています。
こういう撮り方も、単焦点レンズの使い方としてはありですね。
その他にも姉妹サイトでも作例をスライドショーにして公開しております。
こちらの方も是非ご覧になってください。
まとめ
作例をもとに『CONTAX Carl Zeiss Sonnar T* 135mm F2.8』をレビューしてみました。現時点で1万円台で手に入れて遊べるレンズとしては、十分な性能ではないかと思います。というか、「このレンズだからこそ撮れる被写体がある」なんて言いたいくらい、いまではお気に入りの1本になっています。
とは言え、これを書いているのが2024年なので、MMタイプのレンズなら1985年〜製造になると思いますので、約40年前のレンズになりますので、バルサム切れ(簡単にいうとレンズとレンズ面の接着剤が白くなっている状態)、レンズ内にカビなどが発生しているものもあります。中古品を手に入れるときはしっかりと確認しておきましょう。
内容を最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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