今回は、EOS 5Dについて書いています。
EOS 5D(初代)は2005年にハイアマチュア向けに発売されました。それまで高値の花だったフルサイズのデジ一眼が手にしやすい価格となり(それでも高かった)、EOS 5D使いの人が増えてきたような気がしてます。
この記事を書いたのが2024年なので、発売してから20年ほど経ちました。最近は海外の方でEOS 5D(初代)のことをEOS 5D Classicと呼んでいて、いまでも人気があるカメラです。
2010年7月 EOS 5D購入
2007年5月にEOS 5DとEOS-1D MarkⅡで迷った挙句、その時は1Dを選びました。
そして、一度は見送ったEOS 5Dを2010年7月に中古で購入。ようやくフルサイズの仲間入りを果たしました。
EOS 5Dは主に風景や室内の撮影で活用し、動きモノや望遠が必要な被写体はEOS-1D MarkⅡ(以降、1D2)と使い分けてました。5Dはフルサイズセンサーだけあって、1D2よりワンランク上の美しい写真を撮れるいいカメラでだったなと思います。
このカメラのことでよく聞く言葉ですが『フィルムライクな写り』って表現が合っているように思います。と言っておきながら『フィルムライクな写り』って具体的に説明が出来ないところが、悲しいところですけど^^;
それと、5Dは高感度に対するノイズが少なくて、ISO1600をためらいもなく使えたのが良かったですね。センサーサイズに対して無理のない画素数が良いのか、ノイズリダクションを強くし過ぎて塗り絵のような写真になることもないし、ノイズを上手く抑えているようなイメージでした。こういう部分も含めて『フィルムライクな写り』と表現される由縁なのかも知れませんね。
ここが好き
素直な写真が好き
5Dはフルサイズで1,280万画素で、1画素に対する画素ピッチは8.2μmです。ちなみに1D2はセンサーサイズがAPS-Hで820万画素なので、画素ピッチは8.2μmで同じですが、出来上がりの写真はどことなく5Dの写真の方がよく見えました。
さきほど『フィルムライクな写り』といいましたが、デジタルの尖った感じで作り込んだような写真ではなく、アナログ的な柔らかな写真ということかもしれませんね。
ハイライトに粘りがある
5Dと1D2は画素ピッチが同じでしたが、映像エンジンもDIGIC2で同じです。なのにハイライトの粘りは5Dの方があったように感じました。
完全に白飛びさせてしまうとさすがに無理ですが、白飛びしてそうな部分も、露出を下げていくときちんと色が残っているんですよね。
技術的な部分で解決出来るのかもしれませんが、単純に考えれば、画素数を上げる度に画素ピッチが小さくなります。その辺が嬉しいところです。
自然なグラデーション
夕日の写真では太陽の周辺のグラデーションが滑らかかどうがが気になるところです。これが滑らかでないと、地層や年輪のような感じで色の変化がだんだんになってしまいます。
これは最新のカメラでも滑らかになっていない事もあるので、カメラを選ぶときはこういう部分も気にしてみると良いと思いますよ。
ちなみに、5Dは写真の通りグラデーションが滑らだと思いませんか?
自然な発色と調整のしやすさ
5DはJPEG撮って出しでも十分に綺麗なんですが、写真の腕がそれなりなので、RAWで保存して純正アプリのDPPで現像していました。調整はそれほど大きく動かさずに、露出・コントラスト・色彩を±2程度調整するのが基本的な調整のやり方でした。
下の写真はスライダーで色彩を+2上げています。少し調整するだけで、眠たい色味の写真が冴えた写真になりました。これ以上、調整をしすぎると、ドギツイ色の写真になりますので、記憶色としてはこれくらいの調整で良いんじゃないかと思います。とはいえ、それぞれ好みがあるので、何が絶対良いのかって答えはないですけどね。
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ここが残念
シャッターフィーリング
撮れた写真は綺麗でも、シャッターフィーリングがいまいちで、撮っているときのワクワク感は1D2には遠く及びませんでしたね。シャッターを切ったときのパコンって音がちょっと・・・メカ的にはそこが残念でした。
とはいっても、1D2のシャッター音を知っていたから、比べてしまっただけで、知らなければ気にならなかったかもしれませんね。
とにかく、1D系の官能的なシャッター”音”は、撮る気にさせてくれる魔法みたいなものかもしれません。
あっ!ここは5Dの記事でしたね
センサーゴミの付着
この当時のキヤノンのカメラはどれもセルフセンサークリーニング機構がついていなかったので、メーカーに修理に出すか、自分で清掃するか、はたまた気にしないようにして、そのまま使うしかありませんでした。
ゴミが付着するのが嫌で、レンズ交換を極力しないようしていましたね。
そもそもレンズ交換が出来るデジ一眼なのに、レンズを交換するのをためらうのってどうなの?って思いながら使っていた記憶があります。
まあ、いまは標準搭載のカメラが多いし、セルフセンサークリーニングの性能も上がっていると思うので、それほど神経質になる必要はないかも知れませんが、当時はほんと神経質になっていましたね^^;
ファインダー
ファインダーはお世辞にも見やすいと言えないですね。マニュアルでのピントの調整はし難い、視野率は96%で、見えていない部分まで写ってしまうのが残念でした。現像時に加工して余分な部分を切り取ったりすれば良いので、気にするなって所かもしれませんが・・・
フルサイズで価格もそれなりに高かったので、すこーしコストを抑え過ぎたんじゃないかな? そんなことを思っていました。
ISO感度設定
ISO感度はオートがないのは諦めるとして、ISO感度設定を変更する操作が面倒で仕方なかったですね。
これって、EOS D30の頃はセットボタンにISO感度設定を割り当てられることが出来て、セットボタン押下→サブダイヤルで設定と使いやすかったんですが、5DはセットボタンにISO感度を割り当てられなくなっていて残念でした。細かな部分ですが、旧機種では出来たことが出来なくするのは、やめて欲しかったなと、小さな声で言っておきます。
主な仕様
2005年9月発売
オープンプライス価格(店頭予想価格は33万円台)
- 有効画素数:約1,280万画素
- ファインダー視野率:96%
- 測距点:9点
- 連続撮影速度:3コマ/秒
- ISO感度:100〜1600(ISO50、ISO3200相当の拡張が可能)
- 記録媒体:CFカード(タイプI、II準拠)
- ファイルサイズ:Large/Fine 約4.6MB/枚
RAW 約12.9MB/枚 - 背面液晶:2.5型TFT / 約23万画素
作例
なんだか冬の写真が多い気がしますね。まあ、DP1は少し寂しい暗めの写真の方が撮りやすい感じもしますので、冬の写真が合っているかもしれません。
その他にも姉妹サイトでEOS 5Dで撮った写真をまとめてスライドショーして公開しています。 こちらの方も是非ご覧になってください。
まとめ
EOS 5DはEOS 5D MarkⅡに買い換える2012年3月まで使いました。主な被写体は風景や子供の写真を撮っていましたが、後継機の5D MarkⅡが発売され、オーバー2,000万画素と解像度も上がったカメラを使いたくなったこともあり、5Dを手放すことにしました。
じつは、最近また5Dを使ってみたくなり、再び手に入れて使っています。何と言っても1,280万画素なので、ファイルサイズが小さくて済み、RAW現像やファイル管理もしやすく、写りもいい!
そんなEOS 5Dはデジタルの世界ではお祖父ちゃんかもしれませんが、いまでも現役で使えるいいカメラです。
次回はCanon EOS 5D MarkⅡについて想い出を書きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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