【カメラ遍歴13】FUJIFILM X100F

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X100FX100Tの後継機種として2017年2月に発売されました。X100Fの”F“は4代目のFourthを意味しています。クラシックカメラを彷彿させるデザインはそのままでしたが、4代目は画素数が約1630万画素から約2430万画素となり、より高精細に撮れるようになるなど、写りに関して大きな変化がありました。それよりもなによりも、造りや見た目のデザインが洗練され、所有欲まで満たされるカメラにアップデートされたことで、さらに人気に拍車がかかったような気がします。
レンズに関してはX100Tまでと同じくフジノン23mm(換算 約35mm)の単焦点レンズを採用しているので、特徴的な絞り開放でのほわっとした写りは、4代目になっても引き継がれています。
さらに、フィルムシミュレーションはモノクロフィルムで有名なACROSが追加され、より魅力的なカメラに進化しました。

ACROS(アクロス)
階調の豊かさとフィルムの持つ粒状感により、被写体を立体的に表現できるモノクロフィルムのことです。実際のフィルム自体は一度生産を終了したものの、現在はACROSIIとなり復活しています。

 

 

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X100F購入

中古で購入することが多いんですが、X100Fは2018年12月に珍しく新品で約12万円で購入しました。X100Tは心が揺れ動かなかったんですが、X100Fはシャープな顔つきに変わったことによる、美しいフォルムにグサッと刺さってしまったんですよねえ。
ただ、X100Fを購入するにあたり、X100SX-T1とレンズ達を下取りに出しましたので、しばらくはX-PRO1X100Fの2台体制となりました。望遠ズームも処分してしまったので、単焦点だけで大丈夫かって思いましたが、そこは意外と気にならなかったです。
というのは嘘で、1年後にはX-T2を手に入れてしまったんですけどね^^;

ちなみにいま中古価格で17万以上(2025年1月)で売られていますので、人気があるにしてもプレミアムな価格になってしまいました。昔は発売から8年以上も経過したら、メーカー修理が出来なくなったりすることもあり、中古価格は暴落するものだったんですけどね。いまはクラシックカメラと同じように、暴落するところか、逆に中古価格が跳ね上がるようになってしまいました。背景にはコロナ禍に発生した半導体不足が要因の一つだったと記憶しています。当然、カメラの製造に影響が出てしまい、新品を手に入れにくくなったことで、中古品の需要が増え、多少値段が高くても売れてたので、それがいまも続いているのかもしれませんね。

 

 

主な仕様

X100Fでは、有効画素数が1630万画素→2430万画素に上がりました。また、操作面ではジョイスティップタイプのフォーカスレバーに変更されたり、フィルムシミュレーションにACROSが搭載されたりと、X100Tから大きな変化がありました。X100Fは性能、操作ともに、より使いやすいカメラに進化しています。

 

 

主なポイント

2430万画素の恩恵

一番驚いたのは、1630万画素のX100Sとの写りの違いでした。2430万画素となり、より精細な写真を撮れることは、仕様からわかっていたことですが、単に数字だけの違いではなく、出来上がったJPEG撮って出しの写真をみて違いがわかるほどでした。

サンプルは美瑛の白樺並木です。感覚的なものになりますが、X100Sと比べて精細な写りと立体感、空気感が伝わってきますか? 照らされた雪の質感や白樺並木の細かな枝一本一本が判別出来るくらい精細に写っています。上手く表現出来ないんですが、精細といってもカリッカリのシャープな写りではなく、柔らかさがあるシャープな写りという感じかな?
これじゃあ、わかりにくいですよね^^;

FUJIFILM X100F 冬の美瑛-白樺並木

ASTIA 絞りF11

↓下は白樺並木の部分を縮小なしで切り取った写真です。

 

レンズの継承

X100シリーズに搭載されているフジノン単焦点23mm F2レンズはX100Fでも同じレンズが搭載されています。このレンズは絞り開放F2ではソフトフィルターを使ったような、芯が柔らかな写り、絞ればシャープな写りと、一つのレンズでオールドレンズと現代のレンズの2つの表現が出来るレンズです。これは好き嫌いが分かれるところですけどね。

  • 絞り開放ではソフトな写り
    このレンズは絞り開放F2ではソフトフィルターを使ったような芯が柔らかな写りとなる
  • 絞ればシャープな写り
    F4~5.6付近で最高の解像力を実現するように設計
  • 滑らかな背景ボケ
    F2.0という大口径の特性により、被写界深度が浅く、背景を大きくぼかすことが可能
  • 絞り羽根は9枚
    円形絞りによって、光点が丸みを帯びた自然な形で描写されるため玉ボケが綺麗
  • .立体感のある描写
    富士フイルム独特の色再現性と階調表現が、ボケとピント面のコントラストを自然に引き立てるため、被写体に立体感を持たせる

サンプルはドライフラワーの瓶です。後ろからライトが当たっているので、絞り開放F2で撮るとソフトフォーカスのように写っています。特に強い光があたっている部分は、ピントが合っていてもほんわかしていて柔らかに写っているのがわかりますね。

FUJIFILM X100F 絞り開放

ASTIA 絞りF2

タカマル
タカマル

ちなみに後継機種のX100Vからレンズが変更になりました
こちらは絞り開放からシャープな写りのようです

 

最短撮影距離は約10cm

X100Fからマクロ撮影をするために設定を変更しないでも撮影出来るようになりました。いちいち設定を変更するのって面倒なので、小さなことですが便利になりました。
最短撮影距離はX100S、X100Tと同様に約10cmまで寄ることが可能です。交換式のレンズではここまで寄れませんから、約10cmまで寄ることが出来るX100シリーズって魅力的なカメラです。

サンプルは新鮮なホタテとイクラがのった海鮮丼です。X100Fなら料理にぐっと近づいて撮影することが可能が出来ます。もちろん、写りの方も開放F2のフジノンレンズはピント面から自然になだらかにボケていく描写だったり、光があたった部分がソフトフィルターを使ったような滲みが、良い味付けとなり、料理の美味しさを引き立ててくれます。
この写真、ホタテとイクラの新鮮さが写真から伝わってきませんか?
もちろん、撮影後は美味しく頂きました

FUJIFILM X100F 料理 マクロ

ASTIA 絞りF2

 

デジタルテレコン

X100Fはデジタルテレコンが使えるようになりました。よくある中央部の画像を切り出して、あたかも拡大しているようにする機能がありますが、これだと画像サイズも縮小されてしまいます。
富士フイルム「X100F」のデジタルテレコン機能には、クロップによる単純な拡大だけではなく、富士フイルム独自の超解像技術(Super Resolution Technology)が活用されています。この技術により、デジタルテレコン使用時でも高画質な画像が得られるのが特徴です。
※注意 RAW画像が設定されているときは、デジタルテレコンに設定できません

  • クロップ後の画像補完
    デジタルテレコンは、実際にはセンサーの中央部分をクロップして拡大
    クロップによって失われるディテールや画質の低下を補うために超解像技術を用いてクロップしている
  • 超解像技術の仕組み
    富士フイルムが培った画像処理技術を活用し、クロップされた画像の細部を補完
    クロップしたデータを分析し、高画質にリサンプリングすることで、ディテールや解像度を維持しながら、画像の拡大処理を行っている
  • 3つの焦点距離で高画質を実現
    標準(35mm判換算:約35mm):フル解像度の画質。
    1段階目(50mm):クロップ後に超解像技術で補完。
    2段階目(70mm):さらにクロップが進むが、超解像技術で画質を維持。

デジタルテレコンを使えば、カメラと単焦点レンズ3本を持ち歩かなくても、X100F 1台で済むのでスナップや旅行では機材ががさばらなくて助かりますね。

それぞれの画角を比べてみましょう。
1枚目35mm、2枚目50mm、3枚目70mmで撮影したものです。
画像サイズは3枚とも6000px✕4000pxで保存されますが、サンプルはリサイズしています。
絞り値はすべてF8で撮っています。

FUJIFILM X100F 35mm

標準 35mm

FUJIFILM X100F デジタルテレコン50mm

デジタルテレコン 50mmクロップ

FUJIFILM X100F デジタルテレコン70mm

デジタルテレコン 70mmクロップ

WEB上で見る限りはデジタルテレコンでクロップしても、言わないと違いがわかりませんね。
サンプルはいまいちですが、違いを確認するため、同じサイズで切り取って比較してみましょう。すべて1200px✕600pxで切り取りサイズを合わせています。

FUJIFILM X100F デジタルテレコン比較

全体的に100%でみるとぼやけた感じがしますので、これは撮り方やレンズ性能などによるものdすので、ご了承ください。

まずは空の部分を確認してみましょう。
35mm→50mm→70mmと若干ですが、色ノイズのような感じで粗さが目立ってきているのがわかると思います。
次に山の部分を確認してみましょう。
同じ画像サイズに戻していますので、超解像技術といっても、補完して拡大している影響で、やはり鮮明さが失われているように見えます。

最近はWEB上で観ることが多く、写真を100%に拡大して観ることはあまりないと思います。そうなると、無理に拡大して粗をさがすより、利便性を考えてデジタルテレコンを活用することはありじゃないかなと思いました。ただ、画像を編集することを苦にしない方はデジタルテレコンより、編集アプリで画像切り取った方が、WEB上での見栄えは良いかもしれませんね。

 

ファインダー

アドバンスド・ハイブリットビューファインダーが進化してより使いやすくなりました。
特にOVF使用時、フレーム内に小型電子ビューファインダー(ERF:エレクトロニックレンジファインダー)表示を追加が追加されたので、OVF使用時でもピントの確認がしやすくなりました。
スナップ撮影ではEVFではなくガラス越しに見て撮りたいと思うときもあります。これが使いたくてこの機種を選んでいるのも理由の一つですから、これは嬉しい進化でした。

 

 

作例

サンプル写真10枚をご覧ください。X100Fの発色を確認してもらえるように、画像は加工せずに、すべてJPEG撮って出しで、リサイズのみとしています。

姉妹サイトではX100Fの作例38枚をスライドショーにしています。
是非、ご覧になってください。
https://photo.bonpon424.com/entry/fujifilm-x100f

FUJIFILM X100F 作例1

Velvia WB 晴れ 絞りF2.8

FUJIFILM X100F 作例2

PROVIA WB 晴れ 絞りF2.0

FUJIFILM X100F 作例3

Velvia WB AUTO 絞りF8.0

FUJIFILM X100F 作例4

ASTIA WB AUTO 絞りF2.0

FUJIFILM X100F 作例5

ASTIA WB AUTO 絞りF2.0

FUJIFILM X100F 作例6

Velvia WB AUTO 絞りF8.0

FUJIFILM X100F 作例7

クラシッククローム WB AUTO 絞りF5.6

FUJIFILM X100F 作例8

ACROS WB AUTO 絞りF5.6

FUJIFILM X100F 作例9

Velvia WB AUTO 絞りF2.0

FUJIFILM X100F 作例10

Velvia WB 晴れ 絞りF2.8

 

 

まとめ

X100Fは2020年3月迄の1年3ヶ月で使い計2,518枚撮りました。有効画素2430万画素となったことで、格段に写りが良くなり、旅行やスナップだけではなく風景写真でも活躍してくれました。
当時はX-PRO1と2台体制でしたが、写りで言えばX100Fの方が良かったこともあり、いざというときはよくX100Fの方を持ち出していました。
とにかくX100Fは所有する優越感と写りの良さから、サブ機なんてもったいないメインで使いたいカメラでした。

そんなに良いカメラなのになぜ手放したのかって思われますが、その時の理由の一つにシャッターフィーリングがあります。X100Fはシャッターを切る時に小さく「チッ」ってなる程度で、シャッターを切っている感じがしませんでした。「カチッ」ではなく「チッ」ですね。コンパクトなカメラの利便性は十分にわかっていたつもりでも、撮る楽しさという点ではイマイチという感じでした。どうやら、自分は写真を撮ることも好きですが、それ以上にカメラやレンズのメカ的な部分に楽しみを覚えるようです。そんなのわかっていてX100Fを購入したんでしょ?ってなりますけど、こればかりは・・・自分の悪い部分ですね^^;

いまとなっては、手放したことをちょっと後悔しています。最初にも書きましたが、いまX100Fの中古価格は17万円前後(2025年1月時点)で売られているようです。購入した時は新品で約12万円ですから、当時の新品価格より高くなっています。さすがに手に入れるのは難しい値段ですね。
いつか手に入れやすい値段になったら欲しいな、なんて思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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