SONY Eマウントの単焦点広角レンズ『トキナー FíRIN 20mm F2 FE MF』を購入しました。購入するにあたり、候補にしたレンズはこのレンズのAFレンズの方、シグマ、タムロンの3本のレンズも検討しました。結果的にはマニュアルレンズのタイプを選択しましたが、理由は性能はもちろんですが、実売価格とマニュアルタイプの見た目が良いという理由です^^;
FíRIN(フィリン)名前の由来
アイルランド語のFírinne(真実)
フォトグラファーがシャッターを切った瞬間の『Fírinne=真実』を写しとるレンズ、という意味が込められている
それと気になることが・・・
『FíRIN』の文字をよ〜く見ると i(アイ)じゃなくて í なんですよね。気が付きましたか?
スペイン語、カタルーニャ語、ポルトガル語、オランダ語、アイスランド語、チェコ語、スロバキア語、ハンガリー語、グアラニー語等で使われる
文字入力方法
キーボードで I (アイ)を長押し→選択リスト表示→ í を選択する
主な仕様とライバル比較
このレンズのライバルとしてシグマ 20mm F2とタムロンの20mm F2.8を挙げてみました。その他にソニーのGレンズ(約13万円)もありますが、さすがに価格がお高いので、候補から外しています。
まずは仕様比較表をみてみましょう。見ての通りFíRIN 20mm F2 FEは他のレンズと比べて、✕撮影最短距離は長い、✕簡易防塵構造なし、✕重い、✕マクロ倍率、✕発売日が一番古い、どれも勝っている部分がありませんね。
この比較表だけみたら
「まったく良いところなしだね」で終わっちゃいますね
そうダメダメんなんです・・・じゃなくて、実際は良いレンズなんです。
レンズの良し悪しは、単に仕様比較表では決められません。レンズの性能、造りの良さや価格、それと特有のクセなんかも含めて検討すると良いと思います。端的に言うと、最高性能のレンズだとしても、自分が求めているものと違っていれば、撮っていて楽しくないレンズになってしまいます。
とはいえ、全てのレンズを購入して比べるなんて普通は出来ませんよね。たいていは色々なサイトのレビューや価格.comなんかの情報をみて選ぶ方がほとんどじゃないかな?
自分もその一人で、このレンズを選んだのも、色々と情報を調べ比較して、気に入ったポイントがあったからなんです。
ところで、仕様比較表を見てTOKINAのレンズが一番高いよね? って思われた方がいると思います。実は・・・
MFタイプは新品3万円以下で手に入れる事が出来たんです
(2024年9月時点)
いま新品は難しいと思いますが、中古も安いので手に入れやすいと思います。
前置きが長すぎました^^;
では、FÍRIN 20mm F2 FE のポイントとレビューを書いていきます。
FíRIN 2つのタイプ MFとAFの違い
FÍRIN 20mm F2 FEのMFとAFがあります。まず、見た目で大きく違うのは絞りリングが有るか無いかです。AFレンズはカメラ側での操作で絞り値を調整する仕様になっていますので、絞りリングがないんですよね。。この「見た目」ですが、冒頭で書いた通り、絞りリングがあるMFタイプの方が格好が良いんですよねぇ あくまでも個人的な主観ですけどね^^;
肝心の性能と写りですが、仕様をみると光学系は同じのようなので、性能や写りに違いはないみたいですね。
最大径はMFレンズがΦ69でAFレンズがΦ73なので、MFレンズの方が径が小さいです。重量はMFレンズの方が26g重い490g。フードの形状はMFレンズは角型でAFは花型です。
特徴
このレンズについて5つのメリットと2つのデメリットを挙げてみました。
造りの良さを実感
高解像度と低歪曲&トキナーブルー
レンズは11群13枚の構成となっており、ディストーションの補正に有効なガラスモールド非球面レンズ2枚と色収差を抑えるSDガラス(超低分散ガラス)3枚を採用している。これにより、球面収差や歪曲収差、色収差を補正して、高解像と低歪曲を実現しています。実際、約4240万画素のα7R IIで撮ってみても、レンズ性能に不足は感じられませんでしたので、良いレンズであることは間違いなさそうです。
実は『伝統のトキナーブルー』って言葉を知らないで使っていました。撮影していて青が綺麗だなと思ったんですが、確かにコントラストが高いのに「青」に濁りがない、透明感のある「青」が特徴のレンズなんですよね。
このレンズだから表現が出来る「青」
っていうのは、ちょっと大げさかな^^;
開放F2と最短撮影距離28cm
開放 F2、最短撮影距離 0.28mは一般的な数字かもしれません。このレンズは開放 F2では若干の周辺減光は幾分あるようですが、ボケは柔らかですし、光もきれいな玉ボケなので、絞り開放でも十分に使えます。ただ、最短撮影距離が28cmなので、あと数センチ、最大倍率もあと少しあるとよかったんですけどねぇ・・・欲ばりですかね?
絞りデクリック機構
動画撮影はしないので、自分は必要のない機能なんですが、隠れた?機能として、絞りリングのクリックを解除して、無段階で調整が可能となるデクリック機構を搭載しています。
動画撮影をするときには、無段階調整はなくてはならない機構ですね。
CPUと距離エンコーダを搭載
MFアシスト連動に対応
絞りリングを回転させると、MFアシスト機能により画像が一時的に拡大します。ただ、絞りリングに手が触れると、MFアシスト機能が敏感に反応して画像が拡大するので、ピント調整がやりにくい部分はあります。これはカメラ側の問題?かもしれません。
光学補正に対応
各補正機能(周辺光量落ち、ディストーション、色収差等)に対応しているので、JPEG撮って出しでも安心です。
カメラ内の手ブレ補正に対応
レンズに手ブレ補正は付いていませんが、カメラ内の手ブレ補正に対応しておりますので、いざというときには、手ブレを軽減することが出来るので安心です。
造りの良さを実感
もともとは16万円もする高価なレンズだけあって、鏡胴は金属製で頑丈さと高級感があります。絞りリングは適度な重さでクリック感も心地よい振動です。富士フイルムのカメラを使っていたこともあり、絞り値の調整はレンズ側でしたい派なので、この点はGoodです。
フォーカスリングについては、適度な重さで操作がしやすいんですが、フォーカスリングの可動範囲が約120度位あるので、最短〜無望遠までを頻繁に動かそうとすると、少し角度が広いかなという感じがしています。
なんだかんだいって、とにかく見た目がいいです。 絞りリングと距離計の文字があると、見た目も高価にみえますしね。見た目だけで写欲が湧いてきます(笑)
逆光では緑色のゴースト
逆光でコントラストの低下はみられないものの、緑色のゴーストが出ちゃいます。写真では太陽は左側の枠外にあるんですが、見事に右下に緑色のゴーストが発生しています。
ゴーストはちょっと・・・という方はこのレンズだと厳しいかもしれません。
画像処理で消す方法もありますし、ゴーストも表現の一つとするなら気にならないレベルだと思いますので、この部分は使う方の許容範囲か好みの問題になりますね。
防塵防滴には非対応
もともと16万もするレンズなので、簡易でも防塵防滴には対応していなかったのは残念なところです。小雨、海岸の砂浜や冬の季節に撮影するときは、簡易的でも防塵防滴に対応していれば、安心して使う事が出来ますしね。
レンズの造りが良いだけにあと一歩頑張って欲しかったです。
作例
あまり作例が多くはありませんが、少しでも参考になれば幸いです。
まとめ
このレンズを購入して、まだ数ヶ月しか経っていませんので、作例が多くありませんが、このレンズの良さは少しは伝わったでしょうか?
写りに関しては、高画素のカメラでも十分に性能を発揮出来るくらい良いレンズです。
24mmより広い、広角単焦点レンズが欲しいと思っている方には、FÍRIN 20mm F2 FE MF はいかかでしょうか?
FÍRIN 20mm F2 FE MF は発売時に16万円もした高価なレンズでしたが、現在は中古で3万以下で購入出来るので、手に入れやすい価格となっています。(2024年11月時点)
コスパは良いと思いますので、是非、おすすめしたいレンズですよ。
最後まで読んで頂きまして、どうもありがとうございました
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