実家のPENTAX MEに着いていた『smc PENTAX-M 50mm F1.7』をフジフイルム(X-H1)とソニー(α7S)に取り付けて使ってみました。
使用レポートと作例を載せてみましたので、このレンズが気になっている方の参考になればと思います。
どんなレンズ
1977年にPENTAX-Kマウント標準レンズとして発売されたコンパクトなレンズです。このレンズ、PENTAX-Mシリーズの50mmはF1.4、F1.7、F2の3種類があります。その真ん中のレンズですが、F1.7ってなんだか微妙なF値ですね(笑)
そうそう、PENTAXといえば、スーパータクマーがオールドレンズの王道で君臨していますけど、このレンズだって負けてはいません。とろとろボケがすばらしいし、ピント合わせがしやすくて、5千円以下でも購入出来るレンズ。ちょっと、あなどれないレンズだと思いませんか?
仕様
ペンタックス Kマウントのマニュアルレンズで、全長は最小で31mmと非常にコンパクトなレンズです。他の標準レンズとほぼ同じ仕様で、いたって普通ですね。
焦点距離 | f=50mm |
開放 F 値 | F1.7 |
最少絞り値 | F22 |
絞り羽根枚数 | 6枚 |
レンズ構成 | 5群6枚 |
最短時全長 | 31mm |
最長時全長 | 39mm |
最短撮影距離 | 45cm |
フィルター径 | 49mm |
重量 | 185g |
レンズを取り付けたイメージ①
富士フイルム X-H1に装着するため、マウントアダプター経由で装着しています。マウントアダプターはK&F CONCEPTのPK-FX(Kマウント-Xマウント)を使用しました。
レンズを取り付けたイメージ②
レンズ自体は最小31mmととてもコンパクトなんですが、マウントアダプター経由だとその分の全長が長くなってしまいますね。これは仕方ないことですが、半分程度の長さなら嬉しいんですけどね。
レンズを取り付けたイメージ③
SONY α7Sに取り付けしたイメージを追加しました(2024年9月追加)
F値による羽根の形
絞り開放F1.7から段階的にF2.0(目盛りはありませんが、クリック感があるので、たぶんF2.0)、F2.8、F4.0の3段階の羽根の形を撮ってみました。
写真の通り、F2.0で若干手裏剣のような形になり、F2.8が最大、F4.0ではほぼ正六角形になっています。この絞り羽根の形も考えながら、ボケ量のほかに玉ボケを調整するとよいと思います。ただ、綺麗な玉ボケは難しい気がしますけどね。
作例
薔薇
とろとろボケが特徴のレンズなので、ピント面はシャープ、ピント面以外はザワツキが少ない綺麗なとろとろボケで撮ることが出来ます。
このレンズは日差しの強い明るい場所で撮るより、なんとなく日陰の場所で露出をマイナスにして撮るほうが、自分好みの写真が撮れるような気がします。作例なので1枚目、2枚目は露出をプラスにして撮ってみましたが、自分が好きなのは3枚目の薔薇ですね。露出を低くすることで、色の主張が抑えられ、しっとりとした感じの写真になったと思います。気のせいかもしれませんが^^;
紫陽花
明るめに撮る紫陽花より、雨の日とか天気が悪い日に撮る紫陽花の方が好みなので、このレンズは紫陽花の撮影に合うかもしれません。この写真はカンカン照りの日に撮ったので、自分のイメージとはちょっと違いますけど、これはこれで良いかな?
F値によるボケの変化
下2枚の写真は絞り開放F1.7(上)とF5.6(下)のボケの違いです。
風景・スナップ
マニュアルレンズでもF5.6〜F8に絞れば、ピント調整は比較的ラフでも大丈夫なので、スナップとか多少動きがあっても問題なく撮ることが出来ます。
風景を撮る時は、カメラの設定を変えることで、現代風の色乗りがよい写真を撮ることも可能です。シチュエーションによって、現代風とオールド風のどちらにも対応が出来るカメレオン的な器用なレンズですね。※あくまでも個人的な主観です
フレア・ゴースト
オールドレンズですので、逆光耐性はそれほど強くありません。光の入り具合によってはゴーストやフレアが発生しますので、表現としてゴーストやフレアを入れたいときは、入射角を変えたりしながら、撮影してみましょう。といってもスーパータクマーのようなきれいな虹色ゴーストは期待出来ませんけど・・・
良い作例ではありませんが、角度を変えて撮ると、ゴーストやフレアが発生するんだよっていうことだけ見て頂ければと思います。
追加
SONY α7S用のマウントアダプタを入手したので、サンプルを3枚追加しました。
まとめ
このレンズ、オールドレンズの中では目立たない部類のレンズですが、手頃な価格で手に入れやすく、写りもそれほど悪くない。というか、写りは想像していた以上に良かったです。被写体によってはプラナー50mm F1.4より良い写りをすることもあるので、とりあえず一本選ぶなら、候補にあげておきたいレンズですね。
写りもさることながら、ピントがあっている面がわかりやすいので、ピント合わせがしやすいし、ヘリコイドが適度な重さなので、ピントの調整がしやすいことも加えておきます。ただし、ヘリコイドの重さ等はレンズの個体によってバラツキがあると思うので、どのレンズも同じとは限りませんので、ご了承ください。
知識が浅く、深いことが語れないので、内容が乏しい記事になってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
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